ロディにのって
竹節一二三

わたしにまつわる
もろもろをかなぐりすてて
たびにでよう
ちいさなロディを
だきしめて

月のかたちのポシェットに
ハンドタオルとちりがみと
うすく赤いマニキュアと
それから桃のくちべにと

黄色いロディと
ひとりのわたし

「ながいこと たびにでます。
 ロディもつれてゆきます。
 どうか さがさないでください。」

さいごに日付と
わたしの署名
それからロディのあしがたを
あこがれの文句をかきちらし
それから扉をおしひらく

夏のおわりに秋のむし
強いひざしにまけないように
ちいさな帽子をロディにかぶせ
ふたりで果てへあるいてゆこう
あさとひるとよるを
光のようにつきぬけて


自由詩 ロディにのって Copyright 竹節一二三 2004-08-26 21:20:12
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