子供のくすり
ユウヒナ


昨日もらったキャンディを
茶色の小瓶に入れたって
甘い薬にはならないと

喉を鳴らせてむくれてる
僕のかわいい女の子

このあいだの満月に
こじ開けられた地下室の
鍵は窓から放り投げて

犬がくわえて歩いてく
でっかい足音で

瞬き一つで閉じた物語
平らな背中がそこにあって
親指の爪を噛み切っていた

耳をふさいでしまうまで
止めないつもり

唇を寄せても
振り解かれないつもり

ハッピーエンドを作るから
話の続きを教えてよ
なんてさ

外に住んでるオオカミに
イチゴシロップをあげてみよう
今晩飲んだ甘いやつを

君はきっと恥ずかしがって
僕の胸に飛び込むんだ

 


自由詩 子供のくすり Copyright ユウヒナ 2009-04-16 22:12:32
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