悠惠


叶えてこその この夢を
恥を捨てて語れない

写実に甘んず浪漫主義者よ

総べての道はローマに通ず
急がば回れの臆病虫に
喰い尽くされた靴を履き
歩く道は実に平坦

義務を言い訳の正当とし

口を噤んだシンガーよ

俯き見遣ったその先には
指先覗く靴がある

そのまま先を行けばいい
弱さを晒して往けばいい
臆病風に吹かれても
追ってこその その夢は
背後に捨て置くものじゃない



自由詩Copyright 悠惠 2009-04-16 09:12:16
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