森閑
凪目

首をたれたる山の猫
尾っぽを幹にまきつけて
上目遣いに梢を見やる

たわわに茂った緑の葉
あまねく陽射しに当てられて
葉脈をちろちろ光らせる

峠のふもとの静かな林
暮れるにつれて霧が出て
猫のまなこを濁らせる

繰り返された影の伸縮
寒空に冷たくつつまれて
まぶたは沈黙を貫いた


自由詩 森閑 Copyright 凪目 2009-04-16 02:06:28
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