サカナ
浅井実花

うつろな目
うな垂れた首
放り出された四肢
君はいつから
そんなサカナになったの

キラキラ光るあの星も
実は銀紙だって
嘘だらけの世界に住む僕らは
いつだって騙し騙され
それを真実にしようとしている

サカナになった君は
全ての真実も全ての嘘も
信じることも進むことも
止めてしまって
まるで死を待っているようだ
ぼんやりと宙を見つめ
ふと、君が放った一言

見つけた、一番星。

うつろな目で
うな垂れた首を持ち上げ
銀紙の星に祈るサカナ
嘘も真実に変えてしまうよう
騙し騙しもここまで

一番美しいのは
サカナが立ち上がる姿
僕は忘れない
サカナの立ち上がる姿を
僕は見届ける
サカナの生き様を

嘘だらけのこの世界も
今まで僕が吐いた嘘も
サカナ、君が真実に変えた
サカナ、サカナ
君は僕の胸の中に


自由詩 サカナ Copyright 浅井実花 2009-04-15 18:13:05
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