苺
楽恵
摘みながら歩く
生まれたばかりのあなた
小さな口笛
素足のまま大地を踏みしめる
蔦草はやがて乗り越えられ
くちびる
まぶた
ひとさしゆび
どちらも赤く染まっている
のいちごのように
野生の味わい
その鮮やかさ
あなたは一瞬だけ覚醒し
どこまでもみずみずしい
いのちを嘆く
そう、野生
吹き抜ける風
または
冷たい ため息を
自由詩
苺
Copyright
楽恵
2009-04-15 16:57:45