超躊躇
木屋 亞万

キャンセル待ちの
救急車には
今日も乗れそうにない

釈然としないまま
習慣化していく
消防車移動という形式

茶を濁すような車体の
駐車方法は入射角に対して
直角な感じで

にゃんこも
にゅうっと顔を上げ
尿を足して満足げ

百年飛んだままの
ヒューズのせいで
氷河期が終わらないのに

脈が速くなるほど
ミューズが近くにいて
妙に身体が温かい

略奪された
リュックの中に
両親の写真を入れたままだ

着火されていく
長距離ミサイルを
超躊躇させたい


自由詩 超躊躇 Copyright 木屋 亞万 2009-04-15 01:17:05
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