明るい部屋
モリマサ公
現代詩手帖の最新刊を
焦点があわないまま
一枚ずつやぶっていった
細かくていねいにちぎれていったが
それらがポエムであったり
論文であることをやめることはなかった
ゴミ袋の中で
ゴミ収集車の中で
再生紙になってトイレで人のケツをぬぐうようなことになっても
それらはポエムだった
たしかなことが身体感覚としてきざまれていくのが
あたしたちにはわかってた
トイレットペーパーはストディウムで
ウォシュレットはプンクトゥムだ
性器に触れる感覚がちがうだけな
さまざまなポエムが流動的に時代を反映していくのがわかるだろう
あたしたちは後世としてそれをぬりかえていく
スペクタクルな日常を
ゆらぎながら
自由詩
明るい部屋
Copyright
モリマサ公
2009-04-13 02:35:45