さよならキミ(さよならあなたと対作)
智哉

キミに好きな人ができた
僕たちの終わりなんて、こんなものくらいしかなかったんだな

最後の夜を過ごすために車を滑り込ませたホテル
いつもは明るいから嫌だと言ったキミが
「怖いから」なんて理由で一緒に入ってとせがんだバスルーム
柄にもなく、お互いの過去を語り合った
僕がタトゥーを入れた理由
今まで聞かなかったキミも、やっぱり気になってたんだね
キミがいつもつけている南京錠のネックレス
誰からもらったものなのとずっと聞きたかった
キミは親戚のおばさんにもらったと、いつかと同じ答えをした

何度も肌を重ねたホテルのベッド
最後だと割り切るため、再び身を沈めた
キミの肌が手を伸ばせば届く距離にある
心が離れてしまった今でも手が届くなんて残酷な
いっそ嫌われてしまえばとキミを抱いた
拒まれても無理やり抱くつもりだった
キミは
僕を受け入れた
しっかりと潤いながら
それでも今まで見たことがないような冷静さで
「気持ちいいよ」とまるで温泉につかった時のような口調で
僕を受け入れた

僕は冷静に僕に抱かれるキミを見て
キレイだと思った
キミをたてつづけに2度抱いた
キミは
2度とも僕を受け入れた

さようならキミ

今でもキミは僕の最愛の人
これから先も僕はきっと
外食でだし巻き卵を食べることはないだろう


自由詩 さよならキミ(さよならあなたと対作) Copyright 智哉 2009-04-11 23:02:02
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