ハロとイエメスとマーカス
do_pi_can

マーカスとハロ
マーカスはオスで
ハロはメス
祭りの夜にハロはマーカスと交尾した
それで,イエメスが怒ってマーカスを殺した
イエメスは,ハロの許婚
ハロは,最初にイエメスと交尾せずに
マーカスと交尾した
マーカスの方が体格が良かったから
ハロは,体格のいいオスが好きだった

イエメスとマーカス
イエメスとマーカスは生まれた日がほとんど同じの従兄弟同士だった
生まれた時から,マーカスのほうが体格が良かった
喧嘩をしても,勝つのは,いつもマーカス
狩をしても,獲物を仕留めるのはマーカス
畑を耕しても,先に仕事を終えるのはマーカス
マーカスは村中のメスをとりこにした

ハロは村一番のメス
腰も胸も大きく,
子供を沢山産めそうだった
腕も足も太く,
まるで猪のようだった
歯も全部揃っていて,顎が人一倍発達していた
腕っぷしの強さと,仕事の早さで,村中の男の目を引いた
そんなハロを許婚にしたのはイエメスだ
水浴びしているハロのあそこを見たから
ハロはマーカスにあそこを見せたかった
一番最初にあそこを見せた男と結婚するのが村の掟
でも,マーカスと結婚したかったハロは,
イエメスに沢山の嫌がらせをした
わざとイエメスの前でうんちをしたり
そのうんちを投げつけたりした
それでも,イエメスはくじけなかった
とうとうハロが折れて,許婚となった

許婚と初めて交尾するはずの祭りの夜
ハロはイエメスを誘わずに,マーカスを誘った
マーカスは村一番の力持ちだが,
祭りの夜に,みんなで食べる迷い茸には勝てない
ハロは,マーカスを祭り場の近くの草むらの中に引きずり込み
迷い茸でふらふらになったマーカスの上に乗っかった
ハロは,フニャフニャのマーカスのあそこを何度もしごいた
そして,朝までに三度交尾した
イエメスは結局,その晩,待ちぼうけをくらった

だから
イエメスはマーカスを殺した
森で待ち伏せし,後ろから殴りかかり,
三度,立ち上がらせ,三度,殴り倒した
ハロは,その事を知って嘆き悲しんだ
そして,見せしめにイエメス以外の村中のオスと交尾した
イエメスだけは,近づけなかった
イエメスが近づくと,ハロは狂って暴れた
だから,イエメスは,毎晩,
ハロが他のオスと交尾するのを見るだけだった。
その結果,ハロは,何匹もの子供を産んだが,
イエメスの子供だけは産まなかった。
そればかりか,
イエメスが他のメスに産ませた子供を
噛み千切って殺した。

イエメスは,マーカスを殺した事を反省し,
石を削って,マーカスの像を作った。
ハロは,それさえも池に投げ捨てた。
イエメスは,いくつも像を作った。
イエメスは,ハロに殺されるまでに,
十二体の像を作った。

結局,イエメスは,ハロの寝込みを襲おうとして,
ハロに石を投げつけられ,
当たり所が悪くて,
死んだ。
ハロは,イエメスの死体を
誰にも触らせず,
腐るに任せた。

哀れなイエメス
イエメスの作った像は
二千年後に発見されたが,
その悲しみを理解するものは,何処にもいないのだ。


未詩・独白 ハロとイエメスとマーカス Copyright do_pi_can 2003-09-23 14:59:24
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