Diary
琥霙ふうり
ふわふわに笑いました。
雲のような
私の、一行目です
すこうしだけ
背伸びをしてみて
瞳には捉えた、はず
(たかい、たかい。おそらにあなた。みつけた)
うろこ雲
私にはいじわる。でした。
いくら隠れても、
わ た し の ひ と み
は だ ま せ ま せ ん
*
ふわふわに泣きました。
雨のような
私の、2行目です
梅雨入り、と
夏が/焦りだした/
結果
息苦しい
私達の関係も
蒸れはじめて
指と指の、隙間が
すこうしづつ
痛い、いたい。と
(ふかい、ふかい。みずたまとたわむれながら、わたしとあなた。うもれていく)
*
記憶しない三行目より
もうすぐ、
太陽と重ねられて
水色達は、還り
真っ青なお天気の
黒い部分の名残は
惜しまれながら
声を交わし
瞳を交わす
声を交わし
唇を交わす (触れないように
誰にも、知られず
別れ、を交わした。
真夏の涙は
すぐに溶けて
私達の甘酸っぱさ
白い筋に、残り
舌で這わして
(思い出なんてものは、蒸気みたい。見えなくて)
しょっぱい
海水よりも
ずっと、
しょっぱい、恋でした。