うずみ野
umineko

花びらは死者
死者は孤独
遠い国の
輪廻のように

地を這いながら
眠る者
うごめくもの
見知らぬ

  その墓を暴いても
  父は目覚めない

  あるいは記憶さえ
  朽ち果てていく

貴方も
強く願っていたのだろうか

忘れるな
忘れないで、と

だが
どんな祈りも薄らいでいく
花びらの

もとの居場所を忘れるように

忘れるな
忘れないで、と

ただ
風が吹くまでの

わずかな時が重なるまでの






自由詩 うずみ野 Copyright umineko 2009-04-08 01:06:58
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