量の間違いや欠陥
井岡護

立ち上がれない右手の朝方を示しながら
先端は灯となり先端の義足に変更を甚だしく
響く
通り雨は果敢なき猛然であったでしょう
博愛主義者の音色を卑下する
均一化として
あなたは今
凝固した階段を見て
見て
変換された膵臓の代わりに
往きたい

先端として
伝わることは無い
胸元の模様から白衣は呼吸する
先端の傍らに邪魔をする
虐げや間口を吸い上げる
先端を噛み砕く大木の煙
どうして


蛭は旋律
確立された慕情
もう既に彼女の姿は割られている
六年経った今となって
牛皮と尼は投げ込まれる
意識として
乾燥した投影
こびり付き開けた牛の耳
誰も誰ではなく灯籠となり
敷き詰められた曾て見たそれ
あまりそれではないのですね
反旗がそう話している


自由詩 量の間違いや欠陥 Copyright 井岡護 2009-04-05 02:27:06
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