鼻腔の痛み
中原 那由多
部屋は散らかされていた
脱ぎ捨てられた学生服
積み上げられたノート類
惨めさに苛立とうにも無力
私は顔が荒れていた
寝転ぶというより倒れ込んでは
痛みの滲む身体を揺する
叩いて落ちるのが埃だけならどんなによかったか
称えて堕ちたのが誇りなら笑えたのにな
ほくそ笑む代わりに咳き込んだ
私は喉が壊れていた
心臓の良い音がする
脈打つ血潮はきっと醜い
明かりは白紙のように清潔にある
もう薬は飲みたくない
普通に深呼吸さえできるなら
自由詩
鼻腔の痛み
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中原 那由多
2009-04-03 21:48:51