人畜無害になりたい、と思う。

大切な人を傷つけてしまうくらいなら、人畜無害になりたい。


いっそのこと死んでしまおうか。そうすれば誰も傷つけずに済むんじゃないか。

そう思ったけれど、僕が死ぬことによって悲しんでくれる人が、意外にも沢山いることを知っているから、絶対にしない。

僕だって、目の前くらいは見えている。


そう、生きながらにして人畜無害になりたい。なれるだろうか。

色々と哲学的なことを考えて、やっぱり無理だという結論に達した僕。

行動には必ずプラスとマイナスがつきまとう。マイナスをなくすことなんて不可能なんだ。

マイナスよりも悪いのはゼロで、やっぱり生きていかなくちゃいけないんだ、と再認識。


何をしても押しつけがましいんだよ。

何をしても正しく受け取られないんだよ。

何をしても歪んでしまうんだよ。

何をしても傷つけてしまうんだよ。


でも、息を止めることはできないんだよ。それだけは、できない。



結局、僕にできることは、布団に潜って泣くことくらいだ。