叙景〜花海棠〜
朱雀

雲居の空をも染め尽くす

薄紅に酔う桜人さくらびと

天与の美をで わが世の春と

思い違いの浮世を謳歌


浮かれ騒ぎの脇を抜け

おちうたげを眇め見る

わき道の坂に睡花ねむりばな

熱を孕んだ眼差しを

奪い取る気は さらさら無いと

零桜こぼれざくらに惜しみ顔


春のつれづれ消閑に

いにしえ語りの拾い読み

素気ない素振りの海棠は

水のほとりの花和尚かおしょう

背に咲き懸かり どんな夢を見たのやら


紅の蕾が世塵を眺め

風に靡いて締笑しめわらい








近頃、詩画に凝ってまして、この詩もイラストをつけました。
良かったらそちらも見てやって下さい。↓

http://homepage3.nifty.com/complass/Text/Poem/p-n55_2.htm


自由詩 叙景〜花海棠〜 Copyright 朱雀 2009-04-01 01:02:00
notebook Home