ピレネーの詩
三之森寛容

私の白くまさん

ふわふわ モコモコ
あったかい

いつも
甘える私を
優しく包んでくれる

ふわふわ モコモコ
あったかい

いつも
わがままな私と
遊んでくれる

ふわふわ モコモコ
あったかい

いつも
落ち込む私を
寝たフリして見守ってくれる


私の無口な白くまさん
これまで互いに
特別なことはしてこなかったね


ふわふわ モコモコ
どこかへお出かけ

私は
汚れた空のお椀を
見つめるだけだよ

ふわふわ モコモコ
雲みたいに

帰りを待つ
小さな家が
今にも泣き崩れそうだよ

ふわふわ モコモコ
お空の上で

もう一度
胸の奥に響く声を
私に聞かせてよ


私の白くまさん

一緒にのんびりと
過した日々が
特別だったんだね

私の一時は
あなたの一生
私の一生は誰かの一時
楽しかったかな?
喜んでくれたかな?
私で良かったかな?


雨上がりの空を眺め
移り行く雲に
そっと手をかざす…

ごめんね
まだ会えそうにないよ


自由詩 ピレネーの詩 Copyright 三之森寛容 2009-03-27 11:52:30
notebook Home