愛の詩
三之森寛容
キミがその手を伸ばす
私はキミの手を包み
キミは私に愛を描き
私はキミに愛を詠う
高貴な空を見つめ
積木を積み上げる私達
一つ一つの言の葉に
私は恋し
一つ一つの仕草に
キミは恋し
私達は何れくらい
解り合えただろう
私達は何れくらい
赦し合えただろう
私達は何れくらい
愛し合えただろう
私は今も
愛の詩を綴る
私はキミの
キミは私の
瞳に写る
恋草を見ていた
何時しか
積み上げた積木は
バベルの塔
私達は何れくらい
解り合おうとしたか
私達は何れくらい
赦し合おうとしたか
私達は何れくらい
愛し合おうとしたか
一つ一つの言の葉に
キミは…
一つ一つの仕草に
私は…
キミと積み上げた
バベルの塔
雷鳴と共に
音を発て崩れ
私達は唯、見届け
舞い散る
色取り取りの積木
何故か
斑な積木ばかりに
目を止める…
私は今も
愛の詩を綴る
私はキミの
キミは私の
瞳に写る
恋草を見ていた
静寂の中
キミは新しい積木を手にし
私は墜ちた積木を拾い
私はまた
愛の詩を綴る
繰り返す時代
不毛に思えし遊戯
私は今も
愛の詩を綴る
キミの…
私の…
この時代が
終えるまで…