乱太郎

控えめに訪れる
波の繰り返し
耳鳴りは怒りを洗い流して
眩い光りの群れが
手のひらで踊り出す

地平線で別れた
青と蒼が
波打ち際で
何億年ものの歴史を
そっと置いて行って
未来を探せと言っている

星屑を拾いに
カモメの群れが飛び交い
老いた漁船が
砂の上で最後の錦を飾る
ささやく波と歩調を合わせながら

白いバトンを
何度も手渡して

弾かれた弦の響きは
母の胎内にも似て
人はいつまでも
母のもとを離れることが出来ない


自由詩Copyright 乱太郎 2009-03-25 16:05:50
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