春の日
石瀬琳々

君の目が欲しいんだただ春の日に
    やさしさなんて知らなくていい


叩くたたく野に打つ雨に踏みにじる
    花の弔いこのぴあのソロ


かなしみは街角で吹くシャボン玉
    それとも一人つぶす苺の


たそがれの音楽室に忍び込み
    セロの弦切る盲目は早く


破り捨てやぶりすてまた書く手紙
    うつしみを乞う春の日はゆく




短歌 春の日 Copyright 石瀬琳々 2009-03-25 13:39:47
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薊道