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本木はじめ
太陽が熱いとカミュの異邦人読んでニヤつくもうひとりの僕
古本屋カフカの森に迷い込みレジのあなたを見れば毒虫
アンデルセンマッチを擦って飛び移る絵本に踊る炎の人魚
スウィフトの魔本を読んで僕たちはでっかくなったりちっちゃくなったり
ゆうべから壊れた時計握りしめルイスキャロルのウサギ追うきみ
「きれいはきたないきたないはきれい」シェイクスピアの審美眼おくれ
新しい銀河を抜ける線路上賢治と呼ばれし少年駆ける
金閣寺燃やせば燃える池のそば三島由紀夫が前世の君と
「太宰治が好きなの」と『晩年』開き読む君の背後から抱く斜陽のように