神殺さむ Ⅱ     五首
非在の虹

兄ははたち腿高くあげ走りけりその足に業病の兆し見ゆれば


祭祀より怖れられたる娘を娶り今宵ひと晩狼の鳴く


山の木々黒きかぐろきかさなれり目をあげれども空も見えねば


知られたる神殺さむと戸口を出てゆけり兄は手に皮袋もなし


風の便りに兄みまかりぬと訊きけりダ・ヴィンチ画集を閉ず


短歌 神殺さむ Ⅱ     五首 Copyright 非在の虹 2009-03-25 09:19:53
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