「SM的ゼロ思考」の簡単な説明
狩心

自分と対話し過ぎて 圧力で死んでいくのと
自分と対話できずに 流されて死んでいくのは
同じことだ

ブレーキとアクセル どちらもマゾヒズム的な快楽を持ち
衝突により サディズムが発生する
人々は痺れ麻痺し 溢れ弾け 爆発する 崇拝を含み
人々は捩れ捻れ 収縮し 拡散する 煌びやかな星屑
そこに流れる天の川を口に含み 微笑む 微かな陵辱

君にはイメージをさせたくない
理解する前に真っ白な空間思考が漂う 神秘的な沈黙
そこは安らぎであり苦痛 一つの道
まあるい球体のイメージや
そこに付く陰影
表情は本質的には存在せず
光の上にのみ
一時的に姿を現す
それは蜃気楼
遠くから見れば 美しい真実に見え
近付けば近付くほど 存在しなかった事に気が付く

「今」はもう
何も考えていない
だからこそ其処に 命だけが聳え
地獄の番人の如く 睨み付ける
何かが走り抜ける感触
魂と共に
内側が外側にリンクする
それは一つの道 蛇の姿
炙られ回転し 皮膚が剥がれる 
自らが液化し
サディズムとマゾヒズムで構成される万物を接着する フケのような油脂
そこに現れる陰影
僕と君が同じであり
戦う事と戦わない事が一緒だった

真空の空間に 命だけが聳え
勝利し続ける

処理されていくのは身体
何物も必要ない事を確信するまで
イメージが幸福を妨害し続ける
瞬発力の背景は砂漠 密林のジャングル 噴火する火山 光の届かない深海
匂いだけを携えている大気 ガラス窓に張り付く蒸気 壁に刻まれた罅割れでしかない


自由詩 「SM的ゼロ思考」の簡単な説明 Copyright 狩心 2009-03-24 17:08:35
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