希望の宇宙(せかい)
三之森寛容
捻り出された想いは
ホースを伝い
溢れる言葉に変え
シャワーヘッドから降り注いで
散々になった言葉は再会し
絡み合っては離れ
魅惑の扉へと
吸い込まれる
瞼を開いて
仰げば一繋ぎの雲に包まれ
暗く暗く
不毛の大地は広がり
遠く遠く
雲を照らす一筋の光
ほのかに感じる赤
恐れや不安は消え
それでも光を求めては叫び
雲が天地を呑み闇へと導く
記憶のパズルは解き放たれ
闇を彷徨い
現れた白い光に照らされ
幾億のピースは煌く星空に…
言い知れぬ誘惑
星は白い輝きを求め
先を争う
それは醜くも
美しい螺旋を描き
白い光は優しく星を手招く
白い光に包まれ
幾億色の絵の具は
溶けては混ざり
筆は止めどなく走り
溢れ落ちた一滴は
不毛の大地を癒し
虹色の美しい草木が広がり
歓喜の歌声が響く
宴の仕度を始め
今か今かと待ち兼ねる
白い光の中
手探りしながら進み
触れ合う手と手は
深い皺を刻み
互いを確かめながら
触れ合う手と手は
生気に満ちて
互いを愛撫しながら
別れては求め
二つの宇宙が触れる…
恒久の優しさが
私を包み
恒久の希望が生まれ
私は小さな宇宙を包む…