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鉄路行くひとはしらずや檀香梅（だんこうばい）
車窓はるけく　山蔭に噴（ふ）く

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でんどこど　でんどこ　でんど　
枯れ枝を　ひとり賑わす油瀝青

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枝たわわ　春のまつりか油瀝青（あぶらちゃん）
寒き川辺に　見る人なけれど

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われは風　なれは焔（ほのお）か
やま木五倍子（きぶし）
ゆくひとごとに瑤珞は揺れ

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かんばせに映る小春の残り日に
なほ去りがたし　たちつぼ菫（すみれ）

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むらびとは　貧しき身なりのわれら見て
笑みて示せり　片栗の花

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踏みならし整へたる道を　避け来れば
なほき花あり　他人（ひと）にもあはなく