意識の空
北星三天
電車の窓は
みんなの空が
輝いていたんだ
座席と吊革の
旅人は
小さな液晶の
窓を開き
自分の空に
話しかけている
僕は僕で旅の途中に
携帯で
電車の窓から見える
みんなの空を
自分の小さな窓に写し
自分だけの空を
ポケットにしまった
電車を降りて
広がる
みんなの空を
見上げると
みんなの空と
僕の小さな空が
重なっていた
もう
僕は携帯など
出す必要もなかった
もう
僕は
違いなど
どうでもよくなった
この大きくて
広くて
限りなく純粋な
みんなの青空が
僕の小さな空と
重なっていたから
みんなの空と
僕の空は
違う所を見てるだけで
同じ空だったから