色鉛筆のためのパレット/天長地久の長い午後
海里

かつて一日の始まりが
夜明けでも
日没でも
それはどちらでも良かったのです

かつて夜明けや日没が
一日の始まりでも
終わりでも
それもどちらでも良かったのです

けれども
昼の様々に騒がしいことどもが
一番鎮まる時間だとでも思ったものか

夜にだけ立ち上がる夜の魔法が
一番濃くなる時間だとでも思ったものか

一日一日の区切りが
いつのまにか
深夜真夜中におかれるようになって
おかげで人々はいつも
長い長い午後ばかり過ごしている

ひとは毎日
午前中のほとんどの時間を
寝過ごしてしまってから眼を覚ますので


自由詩 色鉛筆のためのパレット/天長地久の長い午後 Copyright 海里 2009-03-20 20:02:01
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