ルー・スクー・ルー・スクー
竜門勇気
かがやく街の灯を
ながめているだけ
新しい明日は今
眼下で光を放ってる
冷たくはなりたくないな
音沙汰のなかったあいつがポツリ
一人はさみしかったろう
そんなもんやり直すのは
お互いやめようぜ
帰り道ではいつも
誰かがうずくまって
うめきながら喋ってる
呪いの言葉も
からからで どうすることもできないんだな
おかしくなっちまった人は
きっと俺が化け物に見えるんだろう
やけに親しげに話しかけてくるけど
うつむくと次の瞬間には俺は
吐きかけられた唾を拭ってる始末
おかしくなってない連中には
きっと俺が透けて見えるんだろう
独り言を呟いたと思ったら
もうあんな遠くで
真新しい制服にお辞儀をしてる
かがやく街のどこかで
眠れない俺を見つめている
街の反対側から
ゆっくり夜明けが始まって
それでも俺は終われないままで
どっかで死を恐れている
まぶたの裏側のうすら呆けた闇より
深い白を恐れている
崩れ落ちた
真新しい制服に
腐ったまなざしで
見てきた暗闇のこと
話し続けた
なにもかもが
混在しすぎて
本当のことが
何一つ分からない