日傘
ことこ

ならした大地に
くぼみを作る

てのひら一杯ぶんの土で
耳たぶの熱を
葬った

背骨のきしみは
いまだ
攪拌されず
甘皮の欠けた
手には負えない

こぼれていく砂粒だけを
頼りに

白い日傘を
広げて
反比例のグラフを遮る

それでも
毎朝
山の端は染まって
空と重なり
とけあうのだ

岩塩の
甘さを味わうように
深呼吸をして


自由詩 日傘 Copyright ことこ 2009-03-19 21:38:44
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