夢物語〜心、染まる 紅〜
もこもこわたあめ

君が 痛い と こぼす
涙の色

君を抱きしめた腕に 鈍くて重い
滴が幾重にも重なって波紋のように広がっていく
君の体は 周りの景色は すべてが紅く染まっていて
いつの間にか世界は白から紅へ染め上げられてしまう

そう 君にボクの心を見せたときからこの世界は
昏い血の色に

それでも君は優しい瞳で ボクを見つめてくれる
君のすべてをボクに溶かし込むように ただゆっくりと まっすぐに

ボクの心はきっと誰かを寄せ付けることを許さなかったのだろう
だから傷つけて傷つけて 血を浴びて血を浴びて 遠ざけてきた
心も涙も紅く染まってしまうほどに

それを君は知っていたの?それとも知らなかったの?

ただ優しい瞳で ボクを見つめて赦してくれている君に
君の白い心にボクの心を 溶かしてしまいたい


自由詩 夢物語〜心、染まる 紅〜 Copyright もこもこわたあめ 2009-03-18 21:23:03
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