迷った先に
琥霙ふうり
自分に疑問を生んだ時
遠い記憶の波が
涙をさらっていく
なつかしむように
現在
の私を被せて
頭の中はひたすら
ちく たく
白い霧をすすむ
気付いたら
深層世界へ
私を探す
ために潜っていた
浮上していく
その顔もその声
すら、も似て
非なる私なのだと
胸が圧迫され
ごぽ ごぽ
せつなさに溺れてしまう
成熟した体よりも
みじゅくな
心のままでいた
それはあの頃、より
ずっとあいまいで
白紙を埋める
言葉が迷子のよう
誘われていく
戻るのか進むのかも
定かではない
回想列車に乗って
がたがたと揺れる
肩はため息をこぼし
窓硝子に私を映す
いつか降りるだろう
その場所にたどり着くまで
私はもっと
私自身と向き合う
今がその時なんだと
汽笛はやさしく頷いてくれた。