条件感謝
エルメス

我々に与えられた条件は、必ず不平等である。

家庭環境、性格、長所、特技、その他、人間の状況・特徴全て。

それがつまり、個性と一般に呼ばれているものなのだが。


その条件に対して不満を覚えることは、誰しもある。

……もし覚えたことがないのならば、自分は相当なナルシストなのだ、と自覚したほうがよろしい。

その不満に甘んじて、他人に対して羨望の眼差しを送るだけで、何もしない人間は大多数だ。

自らも、羨望の眼差しを受ける対象だということを、きっと忘れているのだろう。


与えられた条件は、どれだけ嘆いたって変わらない。

どんな風に振舞っても自分は自分だし、殺しても自分は自分だ。

「自分」という条件から逃れることは、原理的に不可能である。


ならば、自分に与えられた条件の中で、何をするのか。何ができるのか。

それを考え、実現に向けて積極的に動くこと。

これこそが最も重要なことであり、これに比べれば、もともと与えられた条件や結果など、瑣末なものである。



もし条件がなかったら、人間なんて何もできやしないんだ。

どんなに恵まれていない条件であろうと、条件が与えられていることに、まず感謝すべきである。


自由詩 条件感謝 Copyright エルメス 2009-03-15 19:53:31
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