ひとがゆえ
邦秋
形に出来ない物事を
言葉に込めると、いつからか
言葉が事実を乗っ取って
表せぬ物を振り落とす
いつしか独り歩き始めるは
足場得た後の葉の方で
例えば素直という言葉
総てを受け入れられるが、そう?
それとも自分貫くが、そう?
たとえば触れ合い、それさえも
言葉の遣り取りだけでも、そう?
それか肌触れられるまで、no?
そうして自由を得た生き物は
枠造り、自ら、閉じ込める
虹見る人は、その場所場所で
「いつつ」「ななつ」と色、数え出す
自由詩
ひとがゆえ
Copyright
邦秋
2009-03-14 12:07:25