ロビー
砂木

明るい陽射しのロビーで
いろんな人がカウンターと椅子の上
ぎこちなく たっては座り

さしだされた指示に従い
通路と道路に歩いて行く
待たせた人々と共に 
誰も待っていない人も
了解して過ぎる

時間がきて鍵のしめられたロビーで
指示のなかった者が
羽をはためかせて
扉ガラスに写るかすかな灯りに
ひとではない姿をうつして
叩けない体で喉を震わせている

やがて陽が雲間から指し
カウンターには時刻が並べられる
きせられるもの達が
羽を返す

骨を飲み込み
壁絵の影が
横断歩道を渡る





自由詩 ロビー Copyright 砂木 2009-03-14 08:58:31
notebook Home