未完の、ソネット 「残響」
望月 ゆき
昨夜、遺伝子と数回にわたって交合したけれど
最後まで、ぼくが触れたのは
ぼく自身の器官だけであったので、
結局のところ どんな言葉でも形容できない
感性や知性を、すべて破壊したい
不必要なものを削ぎ落として 内臓で
会話しよう あるいは
呼応、
エコー、エコー、ぼくの
舌を 染色体に絡めると、
声に、まだなれない振動が生まれて
エコー、エコー、愛しいヒトの
息づかいがひびいて、やがて
それは耳鳴りになる
自由詩
未完の、ソネット 「残響」
Copyright
望月 ゆき
2009-03-14 01:24:13
縦