安易
井岡護

震えが刳り貫かれる必要性について
痛点を分離させ
糸へ蒔かれた通過達は
濁った改良剤を編み込む
常にその逆はその爪を覆う
そう語るのは常に
浅い結節を睨みつけている動物
片隅と呼ぶにはあまりにも鋭い
呼吸を誇る素数に対する拒絶
手には支配的な変圧
蜉蝣と思う者はいないだろう
二つの唄は橋を渡る
もう差し出されたりはと
五本の蛙は指を折る
蹄鉄に触れる者はいないだろう
海鳥だけが短く


自由詩 安易 Copyright 井岡護 2009-03-14 01:21:50
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