北星三天







見も知らぬ
濃い緑の葉を拾った

落ち葉では
あったが

少し表面が艶を残し
生きてきた軌跡を
浮き彫りにしていた


その人の言葉は
繰り返し響いた


見も知らぬ
人の景色が響いた


その前も

そののちも

その木を見ることは
僕には
決してなかった








帰りついた部屋
いつものテレビ
いつも通り
売れ筋の歌を
順番よく並べてくれた








でも僕は




まだ





生きてきた軌跡を
少し反射する



濃い緑の葉の表面に



そっと触れていたいと思った







自由詩Copyright 北星三天 2009-03-13 06:43:46
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