虚ろな空へ祈るのは
曳舟
湧き上がる言の葉に
燃えさかるあの空を
再び
目にすることは叶わず
私の空は
静かに暮れてゆく
悲しみは
声にならずに
もう雨も降らない
あの日私が
太陽だと信じたものは
雲だと思った憂いは
虹だと思った光は
思い出せない
凪いだ心は
詩を失って
伸ばした両手は
空しく宙を掻く
いつか生まれ出たいと
願った世界は
こんなにも美しい
最後の残光を
瞳に焼き付けて
私の空は
静かに閉じてゆく
自由詩
虚ろな空へ祈るのは
Copyright
曳舟
2009-03-13 02:41:59