瑞々しい嘘
たもつ
エレベーターが
捨てられていた
たくさんの
手向けの花を積んで
吹いている風には
少年の掌のように
静かな水分が含まれている
花を一輪
もらって帰り
小瓶に活ける
もう上にも下にも
行く必要はない
僕もまた
誰かのついた
嘘に違いなかった
自由詩
瑞々しい嘘
Copyright
たもつ
2009-03-12 16:06:28
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