にせものは灼き尽されて
荒れた野に
芽ぶき伸びたつ　大乗の樺

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明け空に
大きな青い星うかび
償はれぬ恋
しづまらぬ風

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みたされぬ青い抱擁
萱の穂のかへす赤潮
ひるのまどろみ

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坊主森　削られた崖　飛ぶ車窓
沃度の匂が　かなしくする

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バリカンは松や小楢を刈りおとし
うめばちさうや山羊の乳にほふ

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走る羊歯
さるとりいばら
ラテライト
萱の灼熱　寂寥の紺

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白びかる　そらのバリカン
萱のかぜ
波だつ赤い花　とんぼ飛ぶ

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三角やま　ひかりにかすれ
馬せかせば
さびしく燃える　栗の木ひとつ

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日はくらみ
伯林青（べるりんせい）のスロープは
また削られて　天の石墨

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琥珀ちる　明暗交錯のむかふ
悼みきらめく　果ての梯形