『春先』
あおい満月

 雲間から
 虹の手が
 世界にのびてくる

 わたしは
 君の手を
 掴もうと
 空に手をのばす

 だけど
 意地悪な風が
 わたしの手を
 かきけしていく

 軈て
 桜の季節を迎えても
 わたしは君に
 触れることができない

 胸に空いたトンネルに
 桜が舞い落ちる

 わたしのこころは

 どこに繋がって

 いるのだろう

 春まだ遠い
 北風に
 凍える指先



                        2009.3.11(Wed)
 


自由詩 『春先』 Copyright あおい満月 2009-03-11 19:48:06
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