路線バス
shu


白い時間のうつわ
網膜のひだまり
ベンチでうつらうつらしている間に
思い出が回遊してくる

おはよう
さよなら

おはよう
さよなら

巻き戻される行き先
首を傾げて立っている
錆びた時刻表と
時計のような丸い標識

顔の見えない帽子が上下して
白い手袋が敬礼する


発車オーライ


走り去る静寂


もういちど
待っていたいから
黄色い砂ぼこりに
手を振ってみる






自由詩 路線バス Copyright shu 2009-03-11 01:48:49
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