「 なま卵としての月へ。 」
PULL.
なま卵としての月へきみはどうして黄色いひかりを放つの。
フライパンの上しろく焦げたくもがもくもくと煙をあげもきみはきみ。
飛びつづけるには重力を常に信じつづけねばならない落下。
割ってしまえばみんな同じとうそぶくあいつも踏み付ければ同じ。
眼を閉じて瞼の中であたためる卵はゆるく脈打ち眠る。
かえらないきみのかえりを待って殻の中からっぽの空の卵の中、
了。
短歌
「 なま卵としての月へ。 」
Copyright
PULL.
2009-03-11 01:12:38
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