虹織
たもつ

 
一枚の雨
窓しかない列車が
なくした足を探していた
わたしがいたら
遊園地がある
その先端の細っこいところ
かわいそうな叔父さんの観覧車は
とても鮫だらけなので
わたしはひとつひとつ
色鉛筆で描かねばならなかった
みな言葉のように湿っていた
おじさんは一言のお礼を残して
ジャングルに入ると
虹織の仕事を始めた
列車はやがて
透きとおった分度器になり
いくつかの角度を測る過程で
わたしは小さな火傷を負った
夜中、ふとした自分の呼吸の音に
目が覚めることもあった
 
 


自由詩 虹織 Copyright たもつ 2009-03-10 09:35:29
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