ある晩、春は
小川 葉

 
春が訪れた
ある晩
列車に乗って
終着駅にたどり着くと
妹はまだ
待ってくれていた

春夏秋冬
それからもうひとつの
季節があった
かつてひとつの
家族でいられた季節

妹の旦那には
少し
遠慮してたかもしれない
何ひとつ変わってなかった
わたしの妹

ホームで
帰りの列車を待ってると
妹は
父と母を連れて
見送りに来てくれた

ひとつの季節が
また終わる
春はある晩
こっそり訪れていた
 


自由詩 ある晩、春は Copyright 小川 葉 2009-03-10 02:55:07
notebook Home