鳥よりも自由の空を飛びまわりたくて
虹村 凌
魚よりも自由に水の中を泳ぎまわりたくて
馬よりも自由に草原を駆け回りたくて
狂ったように吹き荒れる窓の外を眺めながら
ずっと煙草を吸っているよ
鳥が自由じゃないのは知ってるし
死ぬまで泳ぎ続けなきゃいけない魚も知ってる
それでも飛び回りたくて泳ぎ回りたくて
このどこかイカれた世界から離れて
どこか遠くに行きたいのさ
どこか遠くだなんて言っても
知らない世界で十分なんだ
きっと数十キロ離れれば知らない世界で
また違った煙草の味がするんだろう
街の匂いもきっと違うだろう
別にこの街やここの生活に飽きたんじゃない
狂ったように吹き荒れる風を眺めていたら
ふとそんな気分になったのさ
世界はイカれてるけど狂っちゃいないから
もうじき夜明けがくる