毛虫
非在の虹

湿気と暑熱が凝り固まるジャングルの奥
そのはば広の葉の重なりを覗きたまえ
黒く蠢くものこそ無数の毛虫
黙々と食べ累々たる糞を垂れる

糞は山となりジャングルとなる
すなわちジャングルとは彼らの糞であろう
濃緑の闇濃い体の深奥は毛虫
ジャングルの正体を知る者はいない

糞とはバナナの葉と羊歯の葉であり
光る瞳孔の黒豹の母であり
黒豹の餌となるバクどもの父

サクサクという咀嚼音は大きくなる
光を食い光を生み闇を食い闇を生み出す
世界のうらがわに無数の毛虫がはりついている


自由詩 毛虫 Copyright 非在の虹 2009-03-08 16:08:50縦
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