あもっく
ねなぎ

流されるように
従ってきた
働くとは
こういうものかと
思ってきたが
部品はいつか壊れるように
許容量にも
限界がある
出張先から
帰ってきての
報告で
笑いながら
居てもいなくても
変わらないと言われ
実行することに決める

何度も聞いてきた小言
神経を逆なでする
笑い声
役に立たないと言われ
走り回され
必死に電卓を叩いた
報告書を破かれる
夜独り
机の前に立つ
手になじんだ錆びたカッター
昼に食べたトーストに
付いてた物を採っておく
三ヶ月前のバナナと
猫の毛

下請けに部品を
発注して戻ってくると
顔色が
変わり始めていた
頬の筋肉が引きつり
言葉も乱暴になった
左胸が痛み
ズクズクしていたが
その変化を見ていると
気分が
物に当たるようになり
大きな声を出し怒鳴るようになった
叱責が多くなり
表情が強張るが
その様を見ていると
気分が
気分が
悪い

最近疲れたのか
あちこちの筋肉が
突っ張る
肩がこり
歯が噛みあわず
あまり食べれない
熱っぽくて
気持ち悪い

なんだその表情は
と言う
怒鳴り声で
現実に戻される
顔が攣り
元に戻らない
意志とは無関係に
体が震える
うまく答えられない
それを見て
さらに逆上する
顔が紅潮している
えんきっく
あれ
やめろと怒鳴られる
頬を張られる
震えが止まらない
てるろろん
なんで
やめろと言っているだろ
つま先が脛に
立っていられない
ろろん
この人は
凄い形相
殴られる
背中から倒れる
べるごらっく
怒って
叫ぶような声
めちゃくちゃに蹴られる
息が苦しい
てるでさっく
いるのだろう
もう何も見えない
何処が痛いのかわからない
何もわからない
めんがもっく

僕は入院した

誤算は
うちの会社の支社が
数人の小ささということと
今が雨季だということだった



自由詩 あもっく Copyright ねなぎ 2003-09-21 23:42:47
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