夜Ⅱ
k.ジロウ

夜はいづこにはてすらむ
◇ 胸にふきそふ、若草(にこぐさ)の、
羽織れる吐息に生まる蟲、月柔らかに
◇ つづれる月の海(み)、まなかひの
みなもに沈めるペンひとつ、冬の底つく
◇ 心つたよふ、音なひの、
この身一つにはてすらむ、蝶のひとすぢ
◇ はるけき季(とき)よ、春の夜の、
永久(とは)と一夜(ひとよ)に漕ぎ出づる、月の舟ゆく



自由詩 夜Ⅱ Copyright k.ジロウ 2009-03-06 06:53:21
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