あの山裾の
Giton

あの山裾の梢をわたる
すきとおった碧い風をおいかけて
どこまでも はしっていきたい

だれが紡いだのか
硝子の鱗片おしのけ膨れあがる
糸屑を どこまでもほぐしていきたい

畏れを知らない敏捷な獣にまたがり
息揃え鼓動をあわせて
森ふかく どこまでもはいっていきたい

炬燵に蜜柑もりあげ ぬくぬくと待っている君は
テレビを見てはいけない
でぃいえすをしてはいけない

携帯電話機をもってはいけない
ぼくの魔法を解かすようなものを
いっさい身の回りにおいてはいけない

ぼくがユニコーンにまたがって
夜明けの窓から吹き込んだときに
君を夢ごとさらっていけるように


自由詩 あの山裾の Copyright Giton 2009-03-03 21:12:08
notebook Home 戻る